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傾城色三味線
湊之巻
詞に角のたゝぬ丸山の口舌
空眠して隣お聞けば、〈○中略〉慥に長崎詞と覚へたり、何卒是は仕掛次第で一盃は呑めさふなものと、〓おやめて火縄取出し、御むつかしながら火お一つと差出せば、火も進上いたさふず、まづ此間おして下されと、中椀おあてがへば、望む所とむく起きにして、何方のお盃でござります、お手元見まして、お間いたさふと罷出れば、〈○下略〉