[p.0023]
四季草
六/酒食
平皿 壺皿 腰高
椀に平皿、壺皿、腰高といふ物あり、式正の膳には、さいも皆かはらけにもるなり、煮汁の多くある物は、かはらけにてはこぼるゝゆえ、杉の木のわげ物に盛なり、そのわげ物の平(ひらた)きおかたどりて、平皿お作り、其わげ物のつぼふかきおかたどりて、つぼ皿お作りたるなり、そのわげ物にかつらとて、白き木お糸の如く細く削りて、輪にしてわげ物の外にはめるなり、平皿、壺皿の外に、細く高き筋あるは、かのかつらお入たる体おうつしたるなり、腰高の形は、かはらけの下に、檜の木の輪お台にしたる形おうつして作れるなり、かはらけには必輪お台にして置く物なり、是お高杯(たかつき)と雲ふなり、