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好色五人女

状箱は宿に置て来た男
船頭声高に、さあ〳〵出します、銘々の心祝なれば、住吉さまへのお初尾とてしやく振て、又あたま数よみて、呑ものまぬも七文づゝの集銭出し、間鍋もなくて、小桶に汁椀入て、飛魚のむしり肴、取いそぎて三盃機嫌、おの〳〵のお仕合、此風真艫で御座ると、〈○下略〉