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煎茶早指南
茶鐘(○○)
形さま〴〵あれども、いづれもちいさくして内はしろく、かうだいのたかきおよしとす、内の白きは、煎茶もつとも色お賞するものゆへなり、かうだいの高きは、持にあつからぬためなり、
近比兄翁〈○姓氏未詳〉松風店の形お、瀬戸にでうつさせられしお、専ら瀬月物にうりひろむ、
得神の二字おかきたる茶わんは、木田の清廉ぬし、瀬戸にてやかせられたるが、用てよき事は、兄翁の好にまされり、しかれども売物になし、是も形は故人の好みおかれたるものなり、