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十訓抄

白河院は、花盛雪の朝必御覧じて、もてなさせおはしましけり、〈○中略〉雪は北ざまがめでたき也、小野の方へと仰有ければ、殿上人上達部うちむれてつかうまつる、皇太后宮の御方へと仰あれば、人々つかうまつりて、門の外におり立たりければ、御車おばかきはづし、〈○中略〉童の十七八計なるが、綠青にて色どりたる折鋪に、金の御盃すえて、こんるりの御皿(○○○○○○○)に、銀にてしたるは餅おもりたり、葉おば青く色どりて、今かたつかたは同御皿にざくろおもられたり、〈○又見古今著聞集〉