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古今著聞集
十六/興言利口
同〈○北院〉御室随身中臣近武がはかまぎお執し覚し召けるに、何事のはれにてか有けん、上童お召供せらるゝ事有けるに、近武お召て、女がはかまぎは殊に執し覚しめさる、此童に其定に著せてとらすべしと仰られければ、近武承て則かの童の出立の所へ行にけり、先酒おこひ出していひけるは、大がうし(○○○○)にて五ど召べし、其後たか枕おしてしばしねべきよしおいひければ、童も堪能者にて有けるにや、かひ〴〵敷いふがごとくにのみてねにけり、