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好色五人女

木屑の杉やうじ一寸先の命
亭主の長左衛門、棚より入子鉢おおろすとて、おせんがかしらに取おとし、うるはしき髪の結目たちまちとけて、あるじ是おかなしめば、すこしもくるしからの御事と申て、かい角ぐりて、台所へ出けるお、〈○中略〉さては昼も棚から、入子鉢のおつる事も有よ、いたづらなる七つ鉢め、〈○下略〉