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宝蔵

杓子
身お捨てあまねく物おすくふが為に、釈子と字せり、此故にもろ〳〵のぼさつも、これにしたがへり、こゝにえせ者有て、取て定規として、其難おまうく、しかじ御意に入まいらせて、その果報にあづからんには、猶その風情なまめく人の小手招にこそ、
月はいも招く手もとは杓子かな
御多賀土産勿鄙 老若男女長命止 数奇者雖不誣餐 祝言振舞今一匕