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鶉衣
拾遺上
杓子銘〈或人杓子お床の飾物に物ずきして、此銘おもとむ、〉
援に千早振お多賀杓子ありて、用ひざれば鼠と遊びて、味噌桶の陰にかくれ、用ひられては、虎の勢ありて、床のうへにものぼらんとす、さるお杵も摺小木も同じ幸お真似んと思へる、これお世のたとへにして、杓子定規とはいふなりけり、