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東雅
十一/器用
大槃たいはん 倭名抄に、唐式の大槃は、本朝式にいふ朱漆台槃、黒漆台槃也と註せり、即今の台盤是也、大山津見神、其二女して、百取机代之物お持しめて、皇孫の尊に参らせしと見えし机といふもの、此物の始とぞ見えたる、南北史等に、我国の人、食に盤俎なしと見えしは、いかに伝へ謬りたりけん、覚束なき事なり、