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続世継
四/伏見の雪のあした
大殿〈○藤原師実〉のふしみへおはしましたりける、〈○中略〉修理のかみ〈○藤原俊房〉たちいでてかへりまいりて、あるじして、きこしめさすべきやうはべらざる也、御だいなどのあたらしきも、かく御らんずる、山のあなたのくらに、おきこめて侍れば、びんなくとりいづべきやうはべらず、あらはにはべるは、みな人のもちいたるよし申ければ、なにのはばかりかあらん、ただとりいだせとおほせられければ、〈○下略〉