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倭訓栞
前編三十/美
みか 日本紀に甕およみ、新撰字鏡に瓮おも甀おもよめり、みは大の義、かはかめの略成べし、釈にも上古物の大なるおみかといふ、甕星甕栗など是也と見えたり、一説に甕星も甕栗も厳星厳栗の義にして、みかいか相通ふともいへり、延喜式に〓字およめり、瓺の誤字なるべし、倭名抄に見えたり、瓶也、みかのはらたゝへなどいへるは、甕おはらともよめる故也、みかのべも瓮おべともいふおもて也、されど祝詞式に、甕上高知甕腹満並と書せるぞ本義なりけん、古へ酒お醸たる〓ながら神に奉るおもてかく雲へり、