[p.0180][p.0181]
東雅
十一/器用
游堈ゆか 倭名抄に、唐韻お引て、堈は甕也、楊氏漢語抄に、游堈はゆかといふ、今按ずるに、俗人大桶お呼びてゆかおけといふ是也、弁色立成におほみかといふと注せり、游堈読みてゆかといふは、字の音おもて呼びし也、おほみかといふは、おほは大也、みかは甕也、俗に大桶おゆかおけといふ事は、ゆかとは甕の極めて大なるものおいひしかば、大桶おも亦かくいひしと見えたり、〈即今俗に、酒戸の大桶おおほこがなどいふは、ゆかおけといふ語の転語せしと見えたり、〉