[p.0207]
賤のおだ巻
銚子もわざと小さくして、幾度も銚子おかへて、坐興のあるやうにして、扠盃もうすければ、さのみ酒も過さず、馳走ぶりも能様にしたり、今は〈○享和頃〉酒の手へかゝり、〈○中略〉銚子も有合の大銚子にて、膳に露お打などいふことは取失ひて、弁利にのみ成行て、雅なることも風流なることもなし、