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日本国風

酒坏
是迄さかづきは土器なるところ、織部〈○古田〉朱漆のぬり盃お物数寄せられたり、是木にて製したる塗盃世に出来たる始也と、世以て雲へり、然るに東山銀閣寺に、将軍義政公製し給ひし朱漆の塗盃ありて、今宝物となる、〈○中略〉これお観れば、織部朱漆の盃の始と雲べからず、たゞ盃の形ちつき、其物数奇のはじめと雲となるべし、