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簾中旧記
正月御はがためやうだい
御かたくちにて、九こん参らせ候、此御盃はつぼき物にて候、三の御さかづきもまいり候、賤のおだ巻扠盃もうすければ、さのみ酒も過さず、馳走ぶりも能様にしたり、今は〈○享和頃〉酒の手へかかり、衣類の為にならぬ所に計気が付て、盃もふかくこしらへ、〈○中略〉弁利にのみ成行て、雅なることも風流なることもなし、