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鶉衣
続篇上
田子庵記
こゝに田子庵と号するいはれは、此家に愛玩せる蚫貝の盃ありて、それお田子浦とよぶ故也とぞ、そはさらば難波にきこえだる、浮瀬屋の出店かといふ人も有ぬべし、そもや浦の名おとりて盃の名とし、亦盃の名おとりて庵の名とす、〈○下略〉