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置土産

大晦日の伊勢参わら屋の琴
それより四五日も過ぎて、熊谷の大ぶりなる金の盃と、珊瑚珠の盃と重ねて、太夫に取らせければ、更に喜ぶ気色も無く、金盃は庭掃く男に取らせ、珠の盃は双六盤の下に敷きて、微塵に砕きすてける、