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類聚名物考
調度十四
薬缶 やくわん
この器はもと薬煮物なるお、今は茶お煎物として、薬おば俗に薬鍋といふ物有りて、その制異なり、ことに近年は隠元薬缶といふ物出来たり、是は銅にて作り、口の長くさし出たる物なり、隠元禅師の此方へ帰化の時、もちて渡られしと雲ひ伝へたり、古への制はいまだ詳ならず、