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本朝世事談綺
二/器用
隠元薬鑵
相伝ふ隠元禅師、状おこのみて作らしめ、常に炉におかれけると也、或説に、湯気薬鑵といふなり、鑵子の蓋おさりて、その跡へ薬鑵お居て、茶の湯気お以、上の素湯の沸事お工夫して、是お湯気薬鑵(ゆけやくわん)と名付と也、元薬鑵は薬お煎ずる器なり、近世薬鍋出来て、薬鑵は外にす、