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守貞漫稿
六/生業
御鉢いれ(○○○○)売
京坂にてはおひついれ、江戸にておはちいれ、ともに飯器お納る畚お雲、冬月飯の冷ざるに備ふ器なり、古くよりあるには非るべし、
〓篨蓋(○○○)売
夏月売之、蓋江戸は専円形の飯器にして、鍮輸の桶に蓋も縁あり、夏は網代蓋お以て代之、因雲、京坂不用之、夏月小簾お以て代蓋す、飯器亦楕円形の桶蓋に椽なく、さんぶた也、今世諸国楕円お俗に飯櫃形と雲、是古来楕円お本とする故なり、又因曰、京坂桶の飯器お俗におひつ、或はめしびつと雲、黒漆の物おおはちと雲、江戸は都ておはちと雲、