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槐記
享保十三年七月十二日、中井定格が話しに、昔し春日の局の上洛ありしとき、板倉周防守の誘引にて、祇園清水へ参られしが、〈○中略〉さて祇園に参られしかば、林にのこらず畳おしきて、杉折の提重にて、饗応の火しきこと雲はん方なしと、錦小路の申せしかば、上〈○近衛家熙〉にも左こそは聞つれと仰らる、