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物類称呼
四/器用
釜かま 江戸にて称するかま、 如此お畿内及西国四国倶に、はがまといふ、〈関西にては、はがまの小なるものにて、茶な煎じて茶がまといふ、〉又江月にて雲ちやがま、 如此お畿内及西国にてくわんすと雲、東国にてくはんすとよぶものは、はのなき物につるおかけたるおいふ、四国にてあられくわんすとよぶたぐひ也、
今按に、上世かなへといひし、あし鼎、まろ鼎などいひし物お、後かまといひ、はがまなどとよぶ、 安房の国の浦里に、かなへむらといふ所あり、大いなる釜のふた、荒波に打あげられて、今なお 有とかや、往古かなへむらとなづけたる成べし、