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古事記伝
十二
今俗に釜おも加麻(かま)と雲ゆえに、竃お加麻(かま)と雲は、釜より出たる名と思ふ人あれど、さに非ず、古へ釜お加麻(かま)と雲ることなし、釜は賀奈閉(かなへ)、また末路賀奈倍(まろがなへ)と和名抄に見えたり、思ひまがふべからず、或人釜お加麻(かま)と雲は朝鮮言なりと雲り、さもあるか、又竈より転りたる名にてもあらむ、