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傾城色三味線
大坂之巻
梅よりすいた萩野が一風
目が醒ると、夫婦起て紙燭灯し連て、台所に出て棚にさしかゝり、卵子五つ、赤貝も煮る計りにして、是幸ひと炉の火お起し薄鍋(○○)おかけ、何も彼も打入て、此うまき事、どうもいへずと舌打して、