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宝蔵

炭消壺
其形ふつゝかなるつぼ有、上つがたにはしうしめされぬあやしのものなり、この名おすみけしつぼとなんいへるは、其用炭の火のあまれる消せるに有、其きやせる折から打いれ、ふたおもちてこれおおほふ、きびしき時はきえ、すきまある時はきえず、おもふに火はもゆるが順也、きゆるは逆なり、人生れながらにしてしる事あらねば、人のいさめ世間の道理、胸中にいれ用ざる人は、逆心なるべき事、このものにつきてしれり、
すみけしのふたやひかれる月の雲
守節薮医処竹林 煉丹残火固無侵 壺中天地乾坤外 眼下純陽生一陰