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歷世女装考
一
柄鏡
下野国都賀郡西見野村長光寺の境内に山あり、里人長光山といふ、山の麓に沢あり、菊が沢といふ、明和四年丁亥正月廿八日、長光山の裾霖雨の為に崩れ、かの菊が沢より堀出したるもの、銅の塔〈高さ七寸〉内に観世音お安置す、柄鏡一面、〈○中略〉さて、件の柄鏡の陰に、不二行者授翁とあるは、すなはち藤房卿なり、世お遁れ玉ひて、此地に隠れおはせし事は、日蔭草といふ草子に見えたり、〈○図略〉
下野国都賀郡西見野村長光寺の境内に山あり、里人長光山といふ、山の麓に沢あり、菊が沢といふ、明和四年丁亥正月廿八日、長光山の裾霖雨の為に崩れ、かの菊が沢より堀出したるもの、銅の塔〈高さ七寸〉内に観世音お安置す、柄鏡一面、〈○中略〉さて、件の柄鏡の陰に、不二行者授翁とあるは、すなはち藤房卿なり、世お遁れ玉ひて、此地に隠れおはせし事は、日蔭草といふ草子に見えたり、〈○図略〉