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十六夜日記
おしからぬ身ひとつは、やすくおもひすつれども、子おおもふ心のやみはなほしのびがたく、みちおかへりみるうらみはやらんかたなく、さてもなほ、あづまのかめのかゞみ(○○○○○○○○○○)にうつさば、くもらぬかげもやあらはるゝと、せめておもひあまりて、よろづのはゞかりおわすれ、身おえうなきものになしはてゝ、ゆくりもなくいざよふ月に、さそはれいでなんとぞおもひなりぬる、