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我衣
女子の櫛笄、完文迄は鯨(○)なり、其後鼈甲(○○)の薄く黒きおえり出し、頭にいちやう、或ははづれ雪などの類お細工せしお最上とせり、後鹿の角お蘇枋染(○○○○○○○)にして、朝日の櫛笄と雲、上品なり、後に元禄年中、京都紅工にて、銀にて角切がくの内、或は丸の内に、種々の紋お彫すかしにして、鼈甲の頭にさす、櫛の棟にも銀(○○○○○○)にて梅の枝、或は唐竹などおすかし、さやのやうにはめたり、重きゆへ髪下るとて後は不用、