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近世奇跡考

相撲櫛(○○○)
元禄の頃お盛りに経たる両国梶之助と雲相撲取、櫛おさし始しより、其頃前髪ある相撲取、櫛おさす事はやりて、鬼勝象之助、面に白粉おぬり、二枚櫛おさしけるよし、相撲大全に見ゆ、何のゆえにしかせしと雲に、其頃前づけと雲手おとる事はやりけるが、彼等それおつたなき事とし、其手おとらざる証とて櫛おさしけるとぞ、