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賤のおだ巻
一昔は女の帽子と雲ものおかぶりて歩行たり、〈○中略〉扠其ぽうしおとむる針お銀にて物好に拵ひ、贔負のかぶき役者の紋所などおうたせてさしたり、其後又櫛おさへ(○○○○)と雲もの流行出たり、是は櫛の前へ倒れぬ様の為なりとて、櫛の前へたてにさしこみたり、
櫛おさへも銀にて、紋所或はさま〴〵の物好おうたせたり、