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今昔物語
二十五
源頼義朝臣討安陪貞任等語第十三
貞任が伯父安陪為元、貞任が弟家任、降して出来る、亦数日お経て、宗任等九人降して出来る、其後国解お奉て頸お斬れる者、並に降に帰せる者、申し上ぐ、次の年貞任、経清、重任が頸三つ奉る、京に入る日、京中の上中下の人此れお見、喤る事無限り、首お持上る間、使、近江国甲賀郡にして、筥お開て首お出して、其の髻お令洗む、筥お持る夫は貞任が従降人也、櫛無き由お雲ふ、使の雲く、女等が私の櫛お以て可梳ると、夫然れば私の櫛お以て泣々梳る、