[p.0424][p.0425]
男色大鑑

心お染し香の図は誰過にし頃、勝尾寺の開帳に、大和屋甚兵衛誘ひて参詣しけるに、〈○中略〉後よりいまだ十六と見て十五なるべき美女の、〈○中略〉おとし懸のはね鬠(もつとひ)、すかし形のさし櫛、金銀(○○)延分(のべわけ)のかうがい(○○○○○)、〈○中略〉いづれに一つ惡き物好なく、あらのまゝなる素面、万にいふべき所なし、