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閑窻自語
二
世俗簪造始事或人かたられし、今の世、おうなのさすかんざしは、享保のはじめまではなかりけりとぞ、それよりかんがふるに、絵草紙などお見るにも、その頃まではかんざし髪掻のたぐひおすべてさゝず、しかればちか比の物なるべし、