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守貞漫稿
十一/女扮
京坂の銀釵
京坂の銀簪、古製六寸余、今世同之、或は五寸余、〈○図略〉
京坂耳かき長く、江戸は短かし、此丸〈○簪玉〉天保前、珊瑚流布、年給銀百二三十目の炊弾も用之、江戸も同之、今も用之とも、又近年、金水晶玉お流布とす、江戸も又これお流行とす、又砂金石甚流布す、重さ一匁、価金三両余、珊瑚下品小丸、価十五双重さ一匁、銀十五匁お雲、
天保中より銀釵の表お滅金に製し、これに珊瑚其他の珠玉お付け、或は銀紋、或は玉も紋も無之物お用ふ、滅金お流金とも雲銀お素にても用ふれども、流金お流布とす、