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提醒紀談

竹簪(○○)
関氏世々書お以てその名高し、〈○中略〉鳳岡の子南楼は、家君午谷翁が師なり、南楼の弟子潢南〈名は克明〉その嗣となる、その子東陽、予〈○山奇美成〉と同庚、交情殊に厚く、莫逆の友たり、その家竹簪お蔵す、伝へて雲、潢南の曾祖母なる人、享保中有徳院様〈○徳川吉宗〉に宮つかへせしに、その頃反質の政お行はせたまひし折にて、宮中の婦人の髪の飾に、金銀お停止せしめられて、竹にて簪お造り、すべての女中に賜はりし物とぞ、