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歷世女装考

瑇瑁お斑なしに作る起立
父が廿四五の頃、〈宝暦十一二年なるべし〉斑なしの松葉かんざし(○○○○○○)とて、〈掛目一匁五分 長さ六七寸〉今にくらべては、甚細きかんざしお四五本作り、問屋へみせける内お、一本手みせに京へものぼせしに、江戸京とも追々註文ありて、松葉かんざしはやり、銀にても作れり、是かんざしに形ち物いできしはじめなりと、父がいへりと照よし翁かたれり、