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安斎随筆
二十九
釵子 是は宮女の髻の飾なり、字音さいしなり、今世の詞におしやしと雲ふは即ち御釵子なり、さいしの転語なり、玉篇に釵は婦人岐笄也とあり、〈○中略〉貞丈雲く、女房式正の時は、垂髪して頂の上に髪お瘤の如く束ねて、是おかぶと名づく、其のかぶに釵子おさすなり、別に図あり、如斯するお髪あげと雲ふ、