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服飾管見

首飾
女の首飾つぶさにしりがたし、〈○中略〉玉海に、理髪具〈○中略〉釵子四〈花釵子一、二有緒、○中略〉と見ゆ、〈○中略〉釵子四といへる注に、花釵子一つ、二有緒とは、花釵子左右よりさす二本にて一具也、二有緒とは釵子也、〈○中略〉釵子もかづらとかみとおひとしくかたむる料也〈○中略〉花釵子はもとゞりおとめむ料也、〈○中略〉江家次第、節会の内命婦なども、朝服にはあらねど、華釵とあれば、首飾のみは、やゝ残りてけり、後の代、となりては、えりぐし華釵などつくることなく髻もなし、たゞかみおあげてさいしさし、くしのみなりき、〈釵子の緒は、髪あるにはもちいず、髪なき時も或はもちう、五節には、たれかみにも、さいしおさして緒おたるゝ也、〉是お平額といふにや、常に陪膳などするには、かくしたりけり、