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源氏物語
十五/蓬生
かたみにそへ給べきみなれ、ころもゝしほなれたれば、としへのるしるしみせ給べきものなくて、我御ぐしのおちたりけるおとりあつめて、かづら(○○○)にし給へるが、九尺よばかりにて、いときよらなるお、おかしげなるはこにいれて、むかしのくのえかうのいとかうばしき、ひとつぼ、ぐしてたまふ、たゆまじきすぢとたのみしたまかづら思の外にかけはなれぬる