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歷世女装考

びんみのお髪に入る事
和名抄容飾の具の部に、釈名雲、仮髪、和名須恵、以此仮覆髪上とあるは、今いふ鬢蓑(びんみの)なり、此仮髪といふ物、西土にても、いと古くよりありし事、和名抄に引たる漢の劉熙が釈名の外書見多けれど、さのみはひくもうるさし、同書、〈○倭名抄〉仮髪の次に蔽髪と出して、釈名雲、蔽髪、和名比太飛、蔽髪前為飾、此すえ、ひたひおもちふる事、雅亮装束抄五節の舞姫の所にみへたり、