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源氏物語
一/桐壼
おまへより内侍宣旨うけたまはりつたへて、おとゞまいり給べきめしあればまいり給、御ろくのもの、うへの命婦とりてたまふ、しろきおほうちきに、御ぞひとくだり、れいのことなり、御さかづきのついでに、
いときなきはつもとゆひにながきよおちぎる心はむすびこめつや、御こゝろはへありておどろかせ給ふ、
むすびつる心もふかきもとゆひにこきむらさきの色しあせずば、とそうして、ながはしよりおりて、ぶたうし給ふ、