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楽屋雑談

是もむかしはさるもの日々の催促
こゝも流れの道頓堀、樋のうへお南へ高津新地といへるは、江南の芝居もの、たいがいのあつまり所といへど、中より下〈た〉のやくしや、おゝくは此ほとりに住居なせり、〈○中略〉自分が旅あるきに持てゆく取おきの鏡だい、柳ごりにおしろいとき、あらい粉の筒、はつちりのおしろい(○○○○○○○○○)に、兎の足のまゆはき、日しよくのかけはじめといふべき六寸のかゞみおとりそろへて渡しておけば、〈○下略〉