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近世女風俗考
鬢の事
宝永の始元禄の末より、吹鬢と雲名、諸書にみへたり、〈○註略〉また此頃より伽羅の油お多く塗りて光沢お出せし故、繻子鬢といへる名も多く見へたり、
髪の油の事
新智恵の海〈享保甲辰印本中之巻に曰〉匂伽羅の油の秘法、唐蠟、〈八両〉松脂、〈三両〉廿菘、〈二両〉丁子、〈七分〉白檀、〈一両〉茴香、〈四分〉肉桂、〈三両〉青木香、〈三分〉まんていか〈○猪の油〉と胡麻の油加減してよく煎じつめ、きぬ袋にて漉し、麝香竜脳、〈三分〉合練雲々、