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蜻蛉日記
上之下
五六日ばかりになりぬるに、おともせず、れいならぬほどになりぬれば、あなものぐるほし、たはぶれごとにこそわれはおもひしか、はかなきなかなれば、かくてやむやうもありなんかしとおもへば、心ぼそうてながむるほどに、いでし日つかひしゆするつきのみづ(○○○○○○○○)は、さながらありけり、うへにちりいてあり、かくまでとあさましう、
たへぬるかかけだにあらばとふべきおかたみのみづはみくさいにけり、などおもひしひしも見えたり、れいのことにてやみにけり、