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嬉遊笑覧
二中/服飾
賤小手巻、はな紙袋、昔は一つ口にして脇入お入口のかぶせに銀の大なる平がなものさま〴〵物ずきして打たり、それお紫のふくさに包み、胴じめに真田の広きお廻し、銀の平き輪かなものおはめ、緒じめの如くしめ、其先に落し巾著お付て、内懐へ入て持たり、はな紙別に其儘入るか、又ははながみさし、はな紙押へとて、きれにてうすく拵へ、挟みて入たり、右のはながみ袋は、今に女の用ること替ることなし、其後、三徳といふものはやり、今なほ是お用、はながみさしも、色々工夫し、中に一つ浅き口お付、楊枝などお入(○○○○○○)、是お田沼懸(○○○○○)と雲り、