[p.0626]
諸艶大鑑

心玉が出て身の焼印
川原町四条の角屋に湯屋あり、菊屋の小八、二階座敷に東山の風待ども汗のやむ事なし、彼湯に入にまかりて、役者まじりの人込、ざつと揚場に散しなど呑、明衣たゝむ間見合けるに、三十四五にて小作りなる男、そこねぬ鬢おなでける、〈○下略〉