[p.0630][p.0631]
嬉遊笑覧
二上/服飾
ゆぐ〈○中略〉湯に入とき用るお風炉ふど(○○○○)しと雲、犬子集〈完永十年撰〉わかれお惜みひくはだの帯、いつかまた逢んとかたる風呂の口、佐夜中山集、〈片句〉さぞ出替お待し六尺、風呂のうらせばきお何としたの帯、一代男草子七遊所のことおいひて、ふんどしのかきかへもなき人ゆく所にあらずとあるも湯具の事と見ゆ、〈○中略〉さきつ年上州草津の温泉に浴しに、まづ旅舎につく時、やどり居る間用ふべき調度借もし買もする其内に、定りて人毎にひさく一柄、下帯(○○)一筋は必買て浴するに用ふ、今は世人丸裸にて湯に入るならひ故、その所の者も客人も、是は温泉なればかくする故あるべしとて、男女ともに湯具して入れ共、これ温泉に限りたる事にはあらず、