[p.0637]
男色大鑑

涙の種は紙見世
大歌舞妓御法度の後、村山又兵衛が物まね狂言づくしに仕掛、太夫子あまた集めしに、其頃迄は都にも舞台子のあそびは希に、花代も一歩づゝになべて極め、今の世の飛子同前に客お勤めぬ、〈○中略〉其時の子供は、まことの子どもにて、恋お重ねてあへども、御無心雲事もなく、もてあそびとて、飛人形、又は染分の手拭(○○○○○)、琢砂やう〳〵四五分が物おとらすに、嬉しがりしに、〈○下略〉