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秋斎間語

帯刀人常服にて主用に出る時前に長手ぬぐひおはさむ(○○○○○○○○○○○)事は、平服の時の相印也、夫故元来は其家々の染色お極め置、其家中は一統すべき事也、あるひは何の守組家中は何色々々と可極也、甲胄にては勿論火事羽織にても、家々の相印ありて知れよし、平服の時途中などにて不時に事起りし時、人数見分る為なり、それお今は取ちがへて、いろ〳〵の銘々の物好、出来合の染摸様の手拭お用ひ、何の用と雲事お不知様に成たり、